雨の音、ぽつり、ぽつり。
伸びた前髪で視界を隠す。
露出した膝を 風が掠めていく
冷たいけど、これでいい
誰も来ない隅っこで
頭を空っぽにする。
もう 吹き飛ばしてしまおう
ここを 空っぽに刮ぎ落とせ
声も、煩わしさも、全部消して
勝ち負けなんて知らん
世界がどうなろうと知らん
僕はただ
誰もいない場所が 欲しいだけ
足音を立てて、また誰かが寄ってくる。
うなじの奥で、ジワジワと嫌な熱が跳ねる。
——言っても無駄なら、もういいや。
なら、全部 吹き飛ばしてしまえ。
気配も、理由も、その鬱陶しい雑音も。
風よ荒れろ、跡形もなく削ぎ落とせ。
僕の視界から、今すぐ消え失せろ。
濡れた膝に、冷たい雨。
前髪の隙間から 落ちる水滴。
もう、何も聞こえない。
……目を閉じる。